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アニメの感想や小ネタ、メルフォのお返事なんかを。半分自分用メモ。TF2レポもやってます。
2024/05/07  [PR]
 

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パソコン整理してたら没にした長編の切れ端?みたいなもんがでてきたので乗せて見る。一応小説の形にはなってるけど本当イメージを固めるために書いたものだから文法とか滅茶苦茶だよ!相手は一期の十代です。言葉をしゃべれない女の子と十代が身振り手振りで会話しつついちゃいちゃする話(…)



※ヒロインは校長がどっかから預かってきた異国の記憶喪失のお嬢さん。ブルー女子寮の部屋が全部埋まっているため、レッド寮に預けられることに。言葉が喋れないうえにかなりマイナーな国出身のため英語も日本語も解らず、言葉は通じない。解っているのは名前だけ。デュエルのことも知らない。言葉は理解できないけど、それぞれの名前だけはなんとか理解できる。
※普段は幽霊の大徳寺先生と日本語の勉強をしている。時期的には二期のエドと剣山登場直後。


「っ!?」

突然、ぐいっと後ろに腕を引かれて、俺の体は後ろに思い切りのけぞった。踏み出そうと片足をあげたまさにその瞬間にひかれたのも相まって、体は大きく前後に揺れ動く。思い切り足に力を込めてどうにか「腕をひっぱった人間を巻き込んで転ぶ」という最悪の事態を回避する。せ、セーフっ…!どうせ翔か剣山か万丈目辺りだろう。腕を引っ張る前に一声かけてくれればいいのに、と少しばかり不満気な顔で振り返ると、そこにはこの場所で見るはずのない人間がたっていた。

「りっ、凛!?」

なんで彼女がここに。転ばせかかったことを申し訳なく思っているのか、おろおろと泣きそうな顔で自分を見ている。十代の腕を強く引っ張っていた手のひらは行き場をなくしたように彼女の着ているワンピースの胸元を握りしめていた。途端に、顔に不満を出してしまったことへの後悔が体中を駆け巡る。泣くかもしれない。ああ、どうしよう、というかもう半分くらい泣いてる!!大きな瞳にはうっすらと涙がたまり、零れ落ちてこそいないものの、頑張ってこらえているのであろうことは明白だ。「わっ…悪い!怒ってるわけじゃねーんだ!!ただちょっとびっくりしただけで、…だ、だから気にする必要ないって!!転んでないし、俺、結構丈夫だしさ!!な!?」恐らく自分に非はないはずなのだが、こんなに罪悪感たっぷりの顔で涙まで浮かべられたらこっちが悪いことしているような気分になってしまう。十代は「オンナノコ」という生物に対する免疫が全くといっていいほどなかった。大慌てで捲くし立て、どうしたものかと情けない顔で立ちつくす。不意に、そんな彼をじーっと見つめていた凛が涙目のまま微笑んだ。言葉が伝わったわけではないのだろうが、大体ニュアンスと彼の動作で何を言わんとしているかを理解したのだろう。ようやっと見せた笑みに安堵し、ぐいっとポケットに突っ込んでいたティッシュで涙を拭ってやる。強くこすって痛い思いをさせないように、肌を傷つけないようにと慣れない手つきで目元を吹く十代に、凛はまたしても笑みを零した。自分でもぎこちないことは解っているのか、「笑うなよー」と恥ずかしそうに頭を小突き、十代は拭ったティッシュを元通りにポケットの中にしまう。ようやく落ち着いていつも通りの雰囲気が流れだしたとき、ふと十代は最初に考えたことを思い出した。そうだ、なんで彼女がここにいる。彼女は今頃はレッド寮で大徳寺(の魂)と日本語の勉強をしているはずだった。

「お前、なんでこんなとこにいるんだ?今日は大徳寺先生と勉強のはずじゃ…」
「?」

十代の言葉が理解できないのか、不思議そうに首を傾げる凛に思わず頭をがしがしかきむしる。そうだった、言葉は通じないんだった。どう伝えたものかと思案する。身振り手振りには限界がある。とにかく固有名詞だけでも分かればなんとかできあにだろうか。顔を近づけ、口の動きがよく見えるように、言葉が聞きとりやすいように。ゆっくりゆっくり言葉を発してやる。

「だい、とく、じ、せんせい、は?」
「!」

意味こそ解らないものの、それが誰をさす単語なのかは覚えているらしい。凛はぱっと顔を輝かせ、理解できることをしめそうとぶんぶんと頭を振った。そして、しばらく考え込むように眉間にしわを寄せる。しばらく迷う様に両手を彷徨わせていた彼女は、両手でそれぞれ一つずつ小さな三角形を作り、頭に当てた。続いて両手を下ろし、指を三本だけ広げて顔の横にくっつける。最後に大きく口をあけ、ぱっくん、と何かを飲み込む仕草をした。十代もなんとか理解しようと考え込む。三角形。指三本。ぱっくん。耳、ひげ、食べられた。

「…ああ、ファラオに食べられたのか!それで?」

あの先生が何気なくふらふらしていてレッド寮の現寮長に食われることは日常茶飯事である。きっと今日もまた、凛と勉強しているところへやってきたファラオにぱくりとやられてしまったのだろう。手を打ち、理解したことを伝えてやると彼女の顔がぱあっと華やいだ。催促すると、校門の近くにとめてある小さな車を指さす。トメさんが商品を港から運ぶのに使っているバンだ。更に目の前で両手で大きな丸を二つ作ってみせる。眼鏡、といいたいのかもしれない。恐らくトメさんのことを伝えたいのだろうが、トメさんがどうしたのかがさっぱり解らない。貧困な理解力をフル活用する。しかし、いくらフル活用しても元が貧困ではどうしようもない。理解できずに呻き始めた十代の服の裾を、さっきよりも幾分か控え目に凛が引っ張った。視線をやると、おずおずとこちらに向かって何かを差し出している。何かも何も、それは十代達にとってなじみ深いデュエル・アカデミアの名物の一つ、ドローパンだった。

「くれるのか?」

指で彼女の持つドローパンを指さし、続いて自分に向かって指をさす。凛は嬉しそうに頷き、それを自分に持たせると肩にかけた小さな鞄からもう一つドローパンを取り出した。自分用のつもりなのか、にっこりと微笑む。そしてもう一度、トメさんの車を指さした。なんとなく合点がいき、「トメさんがくれたんだな?」同じように車を指さし、ドローパンを指さしてやると彼女は嬉しそうに首を振った。トメさんがわざわざ凛のところまで行ってドローパンをくれたのか、はたまたレッド寮の近くをうろついていたらトメさんと遭遇してもらったのかは解らないが、とにかく凛はこれをトメさんから貰ったらしい。時間帯も昼だし、昼食用にということだろうか。そして、貰った二つのうち一つを自分にあげようとわざわざここまで来てくれたらしい。それだけの理由で。わざわざ。

「―っ」

凛は今まで、レッド寮からでたことがない。でてもせいぜい近くの森か、湖近くまでだった。朝から夕方近くまで大徳寺先生と日本語の勉強をし、自分達が帰ってきたら傍で興味深そうにじっとデュエルを見ていたり、一緒に遊んだり。適当な時間になったらトメさんの夕飯作りを手伝い、食べ終わったら皿洗い。それが終われば翔や万丈目から借りたデュエル雑誌を十代の部屋で読み漁り(実際に読めているわけではないようだが、イラストや写真が多いため見ているだけで楽しいらしい)大体九時頃には眠りにつくという超規則正しい生活を送っていた。だから毎朝寝坊だ寝坊だと慌ただしくかけていく十代達を見送りはしても、決してアカデミアにはついてこなかった。別にアカデミアに来てはいけないと禁じられているわけではないが、日々の生活に慣れることに精いっぱいでそんな余裕がなかったのだろう。そんな彼女が、大徳寺が食べられて暇になったとはいえ、初めて自分からアカデミアにやってきた。それもたった一人で。誰に促されるわけでもなく、自分にパンを渡す、ただそれだけのために。アカデミアは馬鹿でかく、島の中にいればどこにいても見えるから迷うことはないだろう。だが、それにしたって。いくら自分達がいると解っているとはいえ、見知らぬ地に一人で足を運ぶのは怖かったろう。言葉が通じない彼女は誰かに道を聞くこともできない。たまたま自分が校舎の外にでてきてたからよかったものの、もしも校舎内にいたら教室を一つ一つ探さなくてはならない。思えば、自分を後ろに引っ張った彼女は普段に比べていささか乱暴な掴み方をしていた。ようやく見つかったのが嬉しくて、つい乱暴になってしまったんだろう。不安だったろうに、それでも彼女は来てくれた。嬉しさと感動のあまり言葉が詰まる。何か悪いことをしただろうかと不安げに自分を見つめる凛に、十代は満面の笑みで言った。


「ありがとな!」


ついでとばかりに頭を思いきり撫でてやる。それがよほど嬉しかったのだろう、幸せそうに笑んだ彼女は十代に思い切り飛び付いた。手のひらを彼の首にかじりつくように回し、体の全てを十代に預ける。ほんの一瞬だけ腕の中に納まっていた凛は、すぐに体を離して照れたように微笑む。言葉が通じない彼女なりの喜びの体言だった。そんな彼女が可愛らしくて、更に強く頭を撫でてやる。凛は怒られていないと解るや否や、レッド寮のほうを指さし、十代に向かって自慢気に胸をはった。一人であそこからここまで来たんだぞ、凄いだろ、というところか。うん、うん、と緩み切った顔でその訴えに一つ一つ頷いて肯定を示してやる。任務を達成して満足したのか、凛はそれじゃあといわんばかりにくるりと踵を返した。あまりに唐突な行動に、今度は自分が彼女の腕を掴んで引き留める。小首を傾げる凛は本当になぜ引き留められるのか解らないようだ。

「折角ここまできてくれたんだし、一緒に飯食おうぜ!」
「!」

ドローパンを指さし、昼を食べるのにちょうどよさそうな木陰を指さすと、彼女は殊更に嬉しそうな顔で頷いた。微笑ましい仕草にただでさえ緩んでいた顔がますます緩む。そろそろ近づいているであろう昼休みの終了時刻が思考をちらりと掠めたが、すぐに頭の隅へと追いやられた。ああ、きっと自分は彼女の可愛らしい誘惑には勝てないだろう。今日ほど自分が出席日数というものがない(期待されてないともいえる)レッド寮の生徒であることを感謝したことはない。既に十代の頭の中では、午後は授業をさぼって凛と昼寝という予定が組み込まれていた。


没理由:十代が親馬鹿すぎる。
…というのはまあ置いといて(…)ク○ンプ先生のちょ○っツを読んで、言葉は通じないけど仲良しな二人ってすごい…いい!!という短絡的思考でその場でざざっと設定とかいろいろ書きだした長編でした。でも思い浮かんだ展開があまりにも超★展★開だった上に完結できる見込みがなかったので没になった。いろいろネタはあったんですけどねー…。ヒロインは実はペガサスがカードを作るずっと前に、昔の人達が三幻魔を封印するときに生贄として一緒に石板に封印されていた古代エジプトの神官で、ペガサスがカードにした時に巻き込まれて石板から三幻魔のカードに封印が移っちゃったとか。一期ラストで十代が三幻魔の封印を解いたため彼女の封印もとけ、蘇ったとか。でも長い年月のせいで記憶喪失になってしまったとか。三幻魔の生贄にされた巫女は三幻魔へ一心に祈りを捧げる以外のことをしてはいけなくて、言葉を喋ることすら許されないために声がでなくなってしまったとか。なんかそんな中二病満載のプロットでした(…)いやあ…ひどい有様だ!!
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(2008/09/03)  書き忘れ

書き忘れてたので今さらながらコメント投稿のテストついでに書いておく。
十代が涙を拭うところ、ハンカチじゃなくてティッシュなのは精一杯の妥協策です(笑)
だって…一期二期の十代がハンカチを持ってるっていうイメージがどうしても湧かなかったんだ…!
もし持ってたらごめん十代。ハンカチっていうか…スポーツタオルを鞄にまるまる放り込んでる
野球部系の部活少年なイメージがある。でも十代が学生鞄を持ってるところも想像できないので、
ぎりぎりの妥協策としてティッシュならまだ…まあ…違和感ないか…?と思いまして…。
二十代ならハンカチもってそう。紺系の、ちょっと落ち着いた色合いのもってそう(…)
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